第178章

今回やって来たのも王宮からの使者だった。ただし、以前のような書状を運ぶ宮廷侍従ではない。身分の重い大臣が二人。帝国を代表し、イシス閣下に協力を求めに来たのだという。

――ようやく来た。

その報せを聞いた瞬間、アリシアは内心ほっと息をついた。ここ数日、王家の動きを待ち続けていたのだ。これ以上誰も来ないようなら、帝国の上層部は正気なのかと疑いたくなる。こんな案件を引き延ばして、最後に彼女が転移陣の技術を魔法師ギルドへ売り渡す可能性を、まさか考えていないわけがないのだから。

それに、これ以上遅れれば新学期が迫る。

とはいえ、公爵夫妻の情報統制は見事だった。これだけ日が経っても、魔法師ギルド...

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